挫折を乗り越え、独自の道を切り拓く

みなさま、こんにちは。株式会社Medic Art 代表取締役の横山陽子です。この記事では、私のこれまでの経歴などをまとめてみようと思います。
「Medic Artの横山 陽子はどんな人?」と思われた方は、ぜひ読んでいただきたいです。

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横山 陽子 Yoko Yokoyama 株式会社Medic Art  代表取締役 兼 CEO、クリエイター

私の人生は、一筋縄ではいかない道のりでした。「美術から医学へ、そして医療×アートの世界へ」—— この言葉が、私の10年に及ぶ旅路を表しています。

4つの大学、3つの学位。一見すると「学歴マニア」のように思われるかもしれません。しかし、これは単なる好奇心からではありません。この異色の経歴の裏には、深い思いがあったのです。

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1. 美術への情熱:夢と現実の狭間で

幼い頃から、絵を描くことが大好きでした。画用紙いっぱいに広がる色彩の世界は、私にとってかけがえのない喜びでした。その情熱に突き動かされ、武蔵野美術大学短期大学部美術科へ進学しました。

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美大受験時に描いていたデッサン(最近撮影したもので保存状態が悪いです)
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美大受験時に描いていたデッサン
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美大受験時に描いていた石膏デッサン
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美大時代に描いた自画像

油彩の匂いが漂う教室で、私は夢中で絵筆を走らせました。そして、さらなる高みを目指して東京造形大学へ。ここで現代美術と出会い、表現の可能性が無限に広がっていくのを感じました。

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東京造形大学時代に仲間と実施したグループ展
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東京造形大学時代の作品。棒に和紙を巻き付ける作品を創っていました。
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東京造形大学での作品。
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東京造形大学での作品。ミニマル・アートの影響を強く受けていました。
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東京造形大学での作品。彫刻っぽい作品も作っていました。

フランスの著名な作家アンドレ=ピエール・アルナル氏との作品交換は、私にとって大きな誇りでした。「これで私も一流の作家になれる」そう信じていました。

しかし、現実は厳しいものでした。

どれだけ努力しても、越えられない才能の壁がそこにありました。「このままでは、本当に表現したいことが表現できない」—— その思いは、私の心を深く締め付けました。

2. 運命の出会い:人体の神秘に魅せられて

挫折感に苛まれていたある日、思いがけない出会いがありました。

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美大の授業の一環で東京大学へ。

東京大学医学部標本室。美大の授業の一環で訪れたその場所で、私は人生を変える衝撃を受けました。

著名人の脳みその標本、そして入れ墨の標本。人体の造形に、私は言葉を失いました。

「これだ!」

心の中で叫んでいました。人が作り出せない、自然が生み出した造形美。それは、私がずっと求めていたものだったのです。

父は心臓外科医でした。幼い頃から聞いていた医学の話。しかし、臨床医としての道は自分には向いていないと思っていました。でも、この瞬間、基礎医学という新たな可能性が私の前に開けたのです。

3. 挫折と転換:諦めなかった医学への道

医学への道を決意しましたが、その道のりは想像以上に険しいものでした。

まず、大手医療機器メーカーに就職しました。医療の世界に少しでも近づきたいという思いからでした。しかし、机上の知識だけでは満足できず、退職を決意。国立大学の医学部受験に挑戦しました。

結果は惨憺たるものでした。美術のバックグラウンドしかない私が、難関の医学部に合格するのは至難の業でした。2回の挫折。周囲からは「無理だ」と言われ、自分自身も何度も諦めかけました。

そんな時、私の心に蘇ったのは妹の姿でした。

重度の障害を持つ妹は自分で歩くことができず、寝たきりです。自分のやりたいことを自由にできない妹を見て育った私。「妹には選択肢がない。でも、私には可能性がある。妹の分まで、自分にしかできないことを見つけなければ」

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重度の障害をもつ妹 に「あ〜ん」といいながら、ご飯を食べさせています。

この思いが、私の中で燃え上がりました。負けず嫌いな性格も手伝って、挫折を乗り越える力となったのです。

4. 回り道が導いた独自の視点:工学部での挑戦

直接医学部に入ることは難しいと悟った私は、新たな道を選びました。東京農工大学工学部生命工学科への3年次編入です。まずは「生物」を学ぼうと考え直したのです。

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東京農工大学前で撮影。当時の私。

この大学での日々は、まさに挑戦の連続でした。生物の基礎を一から学び、独立行政法人産業総合研究所セルエンジニアリング研究部門の連携研究室に所属し、最先端のES細胞研究に携わりました。

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ES細胞の実験をしていました。

美術とは全く異なる世界。毎日が新しい発見の連続で、頭がパンクしそうになることもありました。しかし、この「回り道」が、後の私の独自の視点を形成する重要な基盤となったのです。

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卒業式!

5. 念願の医学:夢の実現と新たな発見

そして遂に、念願の医学の世界に足を踏み入れることができました。筑波大学大学院 医科学研究科。ここで私は、基礎医学の深い知識を吸収していきました。

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筑波大学 TARAセンター
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私が所属していた研究室の説明(当時撮影したもの)。

特に印象深かったのは、所属した研究室での生活です。TARAセンター(現:筑波大学生存ダイナミクス研究センター)にある山本研究室に所属しました。最先端の医学研究に触れ、医学の奥深さを肌で感じました。

ここでも大きな挫折を味わいます。どれだけ努力をしても、研究一筋でやってきた人にはかなわないということです。
必死に人の何十倍も努力をして、周りのレベルに追いつくしかありませんでした。

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当時の研究室
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研究に没頭する日々
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在籍している人数が多く、ERATOの予算も採択され、日本でトップレベルの研究室でした。
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マウスを扱った研究だったため、休日はほぼありませんでした。
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マウスを解剖して胎児解析をする研究をしていました。
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胎児を解析している様子。
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顕微鏡で覗くとこんな感じ。
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そうした研究を積み重ねて、まとめた修士論文。

ですが、思いがけない発見がありました。所属している研究室の山本雅之教授から依頼された、発表用の医学スライドのイラスト制作。私の作ったイラストが、複雑な医学的概念を分かりやすく伝えると大好評だったのです。
当時、高価なAdobeのソフトを購入できず、PowerPointで必死に描きました。

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PowerPointで描いた医学研究を表現するイラスト

この瞬間、私は自分にしかできない価値を見出しました。美術と医学、一見かけ離れたこの二つの分野。しかし、私の中ではこれらが見事に融合し、新しい可能性を生み出したのです。

6. Medic Art:夢の実現

大学院修了後、様々な職場で医療情報伝達をする業務で経験を積みました。しかし、組織の中では美術か医学のどちらかの専門性しか活かせないもどかしさを感じていました。

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起業前は、医療情報伝達関連の業務に幅広く従事。

「自分にしかできない価値を、もっと多くの人に届けたい」

その思いが、個人事業主としてMedic Art8(メディック アートエイト)を立ち上げる原動力となりました。

医療と美術を融合させ、専門用語を省いてビジュアルで表現する手法。これを「Medic Art」と名付け、活動を始めました。

約2,000点の医療系イラスト・動画を制作し、医療情報をビジュアルで伝える素材サイトMedic Artも立ち上げました。

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解剖図や病気の図でも 正確さを大事にし、色彩論に則って描くので美しい。
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様々な医療系のイラスト素材が満載(有料と無料素材があり)。

さらに、「ツボかるた」や「おうちで健康 ひとりツボかるた」など、楽しみながら健康について学べる製品も開発。医療情報を誰もが理解しやすい形で提供することに、全力を注ぎました。

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「ツボかるた」シリーズ

そして、この活動をさらに拡大するため、2022年9月、株式会社Medic Artを設立。「誰もが見ただけでわかる医療情報を提供し、医療関係者と一般の人々をもっと近くに」というミッションのもと、日々挑戦を続けています。

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Missionは「誰もが見ただけでわかる医療情報を提供し、医療関係者と一般の人々をもっと近くに」

7. 社会貢献:笑顔を届ける喜び

私の活動は、製品開発だけにとどまりません。高齢者向け施設でのツボかるたのデモ実演も積極的に行っています。

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A3サイズの大判ツボかるたを使用し、「お手玉ツボかるた」を実演。

「ツボかるた」デモ実演の様子:https://youtu.be/UNb_d7gO7vc

https://youtube.com/watch?v=UNb_d7gO7vc%3Frel%3D0

高齢者の方々が、楽しみながらツボかるたを体験する姿。その笑顔を見るたびに、私は深い喜びを感じます。

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全国各地の高齢者の方に喜ばれています。
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ツボ押しに積極的に取り組む高齢者の方


「医療情報の普及」と「高齢者の健康支援」。この二つの目標に向かって、一歩一歩前進しているのだと実感できるのです。

8. これからの展望:夢の続きを描く

10年間で4つの大学、3つの学位。回り道だらけの人生でした。しかし、この異色の経歴こそが、私にしかできない価値を生み出したのだと信じています。(医者が美術を学んだケースは数人いますが、美術の世界から医学を学んだ人は、ほとんどいません)

私の夢は、医療の世界をもっと身近で理解しやすいものにすること。そして、医療関係者と患者さんの間の架け橋になること。

「医療情報の視覚化で、健康寿命を延ばし、笑顔あふれる社会を実現する」

この vision に向かって、私の挑戦は続きます。

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Medic Artの企業理念

そして、この思いに共感してくださる方々と出会えることを、心から楽しみにしています。

医療をもっとわかりやすく、もっと身近に。

この思いに共感していただける方、医療×アートの可能性に興味を持たれた方、ぜひお気軽にご連絡ください。取材のご依頼も歓迎いたします。

一緒に、医療情報発信の新しい形を創り上げていきませんか?

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【Medic Art お問い合わせ】
Email: info(@)medicart.jp
※ (@)を@に変えてください。

皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。
新しい可能性を、一緒に探求していきましょう。

【Medic Artが運営しているECサイト】

1)医療系イラスト・動画素材サイト「Medic Art」

約2000点の医療に特化したイラストをそろえた「Medic Art」https://medicart.jp/

2)「おうちで健康」

健康増進情報を発信する「おうちで健康」https://ouchidekenkou.com/